ハンドドリップを上達させる五感の使い方 〜翻訳シリーズ3〜

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ハンドドリップを上達させる五感の使い方 〜翻訳シリーズ3〜

皆さまこんにちは、KiguのNaruoです。
FELLOWブログの翻訳シリーズ、第三弾。

 

彼らが随時更新している興味深いブログをもっとみなさまに知って欲しくて、翻訳しております。

 

今回は「How To Use Your Five Senses To Improve Your Pour-Over」。抽出における五感の使い方です。2020年にFELLOWのブリューガイドページに公開された内容で、五感を使ったコーヒーの楽しみ方を紹介しています。

ドリップ技術というよりは、瞑想に近いような、そんなブログです。

コロナウィルスの感染が拡がり始めたころの情勢も少し反映されているんじゃないかなと思います。



原文はこちら

 

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2020年4月2日

この時代の朝に、「今」という時間に集中するのはそんなに簡単なことではないでしょう。ただそれでも、朝の一杯のコーヒーにもっと感謝し、そこから新しい知識を得ることはできるはずです。

多くの人がコーヒーを淹れている間、その品質には気付けず、日常のルーティーンを急いで送っています。

ゆっくりと五感を研ぎ澄ましながら淹れることで、あなたの好きな新しいテイスティングノート、新しいテクニック、新しいタイプのコーヒーに出会えるかもしれません。

この記事を読むことで、缶コーヒー等の既に完成しているコーヒーを飲むことに既に満足している人にも、夢中でコーヒードリップをさせることができると考えています。

 

五感をフルに使って、朝の日々の儀式に心を傾けながら、よりおいしいコーヒーを淹れる方法をご紹介します。

 

視覚

お湯を注いでいる間は、コーヒーの表面を見て、コーヒーベッド上の水位に目を向けてください。

コーヒーを蒸らしているとき、大きな泡が放出されるのをゆっくり観察してください。この泡は、ほとんどが焙煎中に発生する二酸化炭素です。

コーヒーベッドが完全に乾燥する前に、次のお湯を注ぎ始めてください。注いでいる間、注ぎ口から出るお湯の流速を見ます。理想は一定の流量で。あなたができる限り一定にしてください。

全て注ぎ終わったら、外を眺めたり、お気に入りの植物にTLC(愛情を持って接すること。Tender Loving Care)したり、一見すると見逃してしまいそうな細かいところにまで気を配ってみてください。また、読み物を手に取り、コーヒーを楽しむという方法もありますよ!

Photography: @bychloewen

 

香り

香り
すべての匂いを嗅いでみましょう!挽きたてのコーヒー、乾燥したペーパーフィルター、エアロプレス、コイン、花、シャツ、洗濯洗剤、スパイスラックにある香辛料など、普段は意識して嗅ぐことがないものを嗅いでみてください。

中には、ほとんど匂いのしないものもあるかもしれませんが、それはそれでいいのです。無臭のものは、鼻のリセットのようなものだと思えばいいのです。

液体を口に含むと味覚が優位になり、嗅覚がやや鈍るので、味わう前に香りを嗅ぐことは必須です。

挽く前のコーヒー豆の香り、粉の香り、そして淹れたコーヒーを口に入れる前に香りを嗅いでみてください それぞれのステップで、違いや共通点に注目してください。

 

タッチ

触れましょう!レンガの壁、滑らかなカウンター、シルクのネクタイ、綿のシャツなど、さまざまな質感のものに触れてみることから始めてみましょう。

次に、さまざまなコーヒーの挽き方を試して、中細挽きと細挽きのような微妙な挽き目の違いを感じてみてください。

温度変化も、触覚について話すときには考慮するもの。たとえば、フィルターやコーヒーを淹れるときには、お湯を入れる前のまだ冷たい状態の容器に触れてみてください。

お湯を注ぐときは、ポットのハンドルにかかる重さの変化に注目しましょう。

淹れ終わったら、最初冷たかったり常温だったりした容器にまた触れてみてください。そして、その出来上がったコーヒーを飲むためのカップも同じように触ってみてください。

カップを先にお湯で温めることで、コーヒーの温度を保つことができます。

まずは手にとって、そしてコーヒーを入れたら、その違いを実感してください。

 

朝をリラックスして過ごせる好きな音楽をかけて、コーヒーを淹れましょう。

鳥の鳴く声を聞いてみましょう。最近は人から出る喧騒のようなノイズが少なくなったので、鳥の声も聞こえやすくなりました。

コンロで温めているやかんの音に耳を傾けてみましょう。ハンドドリップなら90度から96度の間で淹れることが多いので、沸騰し切る直前に火から下ろした方がよいでしょう。

コーヒーを挽くときは、グラインダーの音に耳を傾けてください。

そしてお湯を注ぐときには、コーヒーベッドに水が流れるときのドリップの音を聞いてみてください。何を聞くか?

これは、良い流量を持っているかどうかを知るための素晴らしい方法です。

水道の蛇口から水が流れるような勢いのある音や、ポタポタと一滴づづ落ちるような音はあまり良くありません。理想的なのは、ゆっくりと安定した滴下音です。

2人分を淹れている時は、抽出の終わりかけにはマグカップをカチャカチャと鳴らして、飲み始めの合図をしてあげましょう

 

これが一番ワクワクするパートです!

さて、ここまで他の感覚に集中してきましたが、ここでそれらをすべて排除してみましょう。おかしな話でしょう?音楽を止め、両手は空け、目を閉じます。でも鼻はつままないでください!

テイスティングはいわゆるレトロネザール体験であり、私たちの嗅覚(別名:嗅球)はフレーバーの知覚に大きな役割を果たします。

最近、蓋をしないでコーヒーを飲むことが多くなりましたが、これは素晴らしいことです!持ち帰り用のカップの蓋であれ、繰り返し使える旅行用のマグカップであれ、どちらも味を感じる能力を阻害するものなのです。

 

さあ今、カップを手に取り、目を閉じて、深呼吸をして、息を吐き、最後にゆっくりと軽く一口飲んでみてください。飲みながら、コーヒーの質感やボディ、甘み、酸味、苦味について考えてみてください。

まずは1つの項目だけで大丈夫です。何が一番印象に残っていますか?

同じコーヒーを飲んでいて今までは気づかなかったことがありますか?苦手な味はありましたか?

また触覚と同様に、温度変化による味覚の違いも感じてみましょう。コーヒーを少し室温まで冷ましてから飲んでみてください。さらにフレーバーを感じやすくなります。

 

 

コーヒーを丁寧に淹れ、五感を使ってその微妙なニュアンスに気づくためには少し時間がかりますが、それは抽出のプロセス全体をより楽しいものにします。

五感はそれぞれを相互的に高めることができますし、どの感覚を選んで使っても、おいしい飲み物をより楽しむことができます。そしてそれはコーヒーが持つ他の良さも同時に際立たせるでしょう。

 

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いかがでしたでしょうか。

コーヒーの技術的なことよりも、マインドフルネスに近いような、「今ここにあるコーヒー」に集中する作法のようなお話でした。忙しかったり余裕が無かったりすると、味とか分かんなくなりますもんね。

私自身が意識して使うのは触覚と嗅覚。コーヒーを挽く時に手に伝わる挽き心地や、豆の香りに注目します。この豆は軽くて挽きやすいなとか、焙煎度合いの割には硬いなとか、挽いた瞬間から良いアロマが出てきているなとか、逆に焙煎から日が経っちゃったのかなとか等。

あと、コーヒーでも食べ物でも、目を閉じるというのは良い。口の中に集中できて、美味しいものに包まれるような感覚に。

 

ちなみに本文中に登場した用語、レトロネザール(Retronasal)とは、嗅覚の感じ方を指します。

香りの感じ方には2つの経路があり、それぞれ「オルソネーザル」「レトロネーザル」と呼ばれます。

前者は目の前にあるものから立ち込める匂いを感知すること。後者は口の中に入ったものの香りが鼻を通り抜けたり、喉を通ったものの香りが吐く息と一緒に通り抜けるときに感知することを指します。

コーヒーはワインなどに近く、特に口に含んだ時の匂いや香りで特に楽しめるものです。

 

このレトロネザールは、実は人間にしかない感覚だそうです。 

コーヒーの美味しさをせっかく楽しめる生き物なんですから、五感をフルに使ってみんな楽しんじゃいましょう!



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